「「向井さん、向井ひなさん。」」

ドキドキしながら入る。

「「なにか、症状は?」」

「「最近、熱が続いてて……。後胸も痛いんです。」」

「「そうですか……。」」

急に黙り込む医者。

嫌な予感がする。この予感は当たって欲しくない。

「「……1回レントゲンとりましょうか。」」

「「はい。」」

それからレントゲン室に行き、入念にとった。

私は待合室でそれが終わるのを待ってて数時間後にやっとひなが帰ってきた。

そして、医者に聞く。

「「どうだったんですか?」」

「「……落ち着いて聞いてください。向井さんは病気です。」」

「「…え?病気?」」

「「はい。それを直すのももう手遅れでして……。」」

医者の声がどんどん遠くなっていく。

また、家族がいなくなる?次はひなが?

私は一人になるの?怖い、一人やだ。

私はそんなことばっか考えていた。

けど、ひなは真っ直ぐ前を見ていてこれからのことを考えていたの。

……凄く大人よね、私より笑

「「……ですから、治すというより自分のしたいことを今のうちにした方がよろしいかと思います。」」

「「分かりました。」」

帰りは無言で何も喋らなかった。

家に帰ってもしばらく無言で2人とも色々と考えていた。

そして、無言を破ったのはひなの方。

「「ゆうちゃんには言わないでほしい。………絶対に悲しむから……。」」

そんなことを言われたわ。

自分よりゆうちゃんの事考えるなんてひならしよね笑

それからは、普通に学校に行って普通にご飯を食べた。

最初はちょくちょく体調が悪いぐらいだったんだけど最近ではずっとで。

昨日とかはだいぶ無理をしてたからずっと寝込んでたわ。

多分、ゆうちゃんに心配をかけたくなかったのね笑

ずっとひなのそばにいたんだけど急に席を外してって言われたの。

多分、その時に電話したのね。

その時は意味がわからなくて数分たって部屋の中に入ったわ。

そしたら……。

もう、ひなは息を引き取ってたわ。