……変わってないな。

白色で統一されていて男の人にしてはしっかりと整理整頓されている。

油断が一つもない部屋。

前はここで勉強したな。

また、私が思い出に浸っていると、お姉さんがなにか見つけたようでスタスタと歩いていった。

「……ひなが言ってたのはこれかな?」

「……。手紙……??」

机の上に白い封筒が四つ置かれていた。

「私宛とお母さん、ゆうちゃんと……名無し??」

??名無しには謎だったけどとりあえずお姉さんと私は自分宛の手紙を開けることにした。

「「ゆうちゃんへ。

何も言わずに死んじゃってごめんね。

君がこれを読んでいる頃には僕はここにいないのかな?

多分そうだろうね。

僕はゆうちゃんが大好きだよ。

今まではあまり言わなかったけど……。

実はだいぶ前から危なかったんだ。

でも、ゆうちゃんに心配を掛けたくなくて言わなかった。

何度も、冷たい言葉で突き放そうとした。

でも、僕はそれが怖くて言えなかったんだ。

ゆうちゃんと離れたら絶対に暗い道しかない。そんな確信があったんだ。

今、ゆうちゃん泣いてる?泣いてくれてるなら嬉しい。

ゆうちゃんの前では頑張ってるけど僕は弱気だから……。

不安なんだ。

僕を愛してくれてる?

僕を嫌いにならない?

僕の前ではずっと緊張した顔だから……。

今、不安にさせてるよね?

ごめんね。

言い逃げっていうのかな、これ。

ダメだね、僕。

ダメな彼氏だね……。

ごめん、ごめん。

でも、こんな僕を嫌いにならないで。

ずっとすきでいて。

わがままだよね。

でも、でも。

可能性があるなら、好きでいてほしい。

迷惑をかけると思う。

彼氏なのに守れなくてごめんね?

後、最後に。

名無しの手紙あるよね?

あれは、将来大切な人に渡してください。

ゆうちゃんが選んだ人なら僕は許せます。

ゆうちゃんに間違いはないから……。

大好きだよ、さようなら。

ひなより」」