無性に声が聞きたくなる。 母親の甘ったるい声も、学校の 先生の声も、馬鹿みたいに話す友達の声も 忘れるくらい。 今はただ、あの聞きなれた俺を呼ぶ声が 頭に響く。 「・・・・・・・・・・・何だよ、コレ」 ただの幼馴染。 ただの腐れ縁。 だからこんなこと本当は、本当は。 思うはず、無いのに―・・・・・