・・・・・・もう授業の予鈴が鳴りそうだから
人も何もクソもいないんだけどね。



そう思っていると不意に唄鳥くんっが止まった。

「・・・・・・莉雨さんさぁ」


唄鳥君は学校や登校中に見せたおふざけで
元気な笑顔はもとから無かったように、
スッと真顔になる。


「何?」

思わず身構えてしまうが、唄鳥君はそれを
含めた私のことを苛立ちも隠そうとせずに
話し続ける。




「誰かが傷ついているんです。・・・・・
それ、分かってますか?」


わたしは激しく狼狽した。
傷つけている内容にも覚えがある。
・・・・・誰を傷つけているかもわかる。



「お願します。あなたの言葉一つで誰かを
傷つけたり、行動一つで誰かを苦しめること
だってあるんです。・・・あなたのすべてが
非なわけじゃない・・・・・」


考えながら、一つ一つ言葉をつなげている
けれど、他から見れば辛辣な言葉なのかも
しれないけど、それでも確かに誰かを
思いやる気持ちが隠れていた。


「だけどどうか、・・・・どうか、生半可な
気持ちならやめてください。」