「事情って?」 「色々と。あ!私、西川に進路のことで話があったんだった!行くね!」 夏音が階段を駆け上がろうとすると、瞬が引き止めた。 「好きなように生きるの?」 瞬は自分の右耳を触りながら、その一言だけを聞いた。 「うん。ごめん、瞬。」 分かって・・・夏音はそう思いながら瞬を初めて呼び捨てにして、教室へと戻って行った。