「これはずるいよ?断れないって分かってて作ってる感じだもん。瞬が聴いたらって思ったらもう。」
歌詞が反則だ。
瞬が聴いたら、なんて言うのだろう。
瞬が聴いたら、どんな顔をするだろう。
瞬が聴いたら・・・
夏音はそんな事を思いながら、歌い続けていた。
ーーー 8月。ーーーーー
あっという間にライブ当日を迎えた。
夕輝は塚原や皆にもチケットをプレゼントした。
会場は満員だった。
「いやぁ・・・無理、ダメだ。間違いだったわ。ここまで登りつめてたとは!!」
「いや、あの夏祭りと何も変わんないって。大丈夫。」