「待って・・・俺、言えてないことが」



奏がそっと夏音を引き寄せると、





「やめて!!」




そんな奏を夏音は突き飛ばしたあと、夏音は我に返り、




「あ・・ごめ、って・・・・それ」




奏に触れた。





「いや、俺こそ悪かった。・・・もう帰ろっか。」




奏は立ち上がり、何もなかったような顔で出口に向かった。







「また明日な。」





「うん・・・また明日。」




夏音はその夜、一睡も出来なかった。
ずっと一緒に働いて来たのに奏が何者なのか分からなくなった。







「おはよ。かのん寝なかったの?」