ーーー瞬が亡くなってから
          8年後。ーーーーー




夏音は早いもので28歳になる。

結局、通信制の大学を辞め、正社員として働いていた。
塚原とはそのまま一緒に暮らし、瞬の事は8年たった今でも忘れることは出来なかった。





時々夢に見ていたあの冷たい寂しい夢の意味だけ、何となく分かるようになっていた。










「まさやん。そろそろ相手見つけてもいいんだよ?」





「かのんこそ。」




冗談でもこんな話も出来るようになった。





「今でも・・・瞬を?」





「うん。まさやんもあたしを?」