渉が心配そうな顔をする。





「今日は渉のおかげで助かった・・渉の家がお金持ちだっていうのは初めて知ったけど。ベッドどころか部屋まで貸してもらっちゃって・・・。ここに来て隠しても意味ないから正直に話すよ。左足首骨折、全身打撲、右手首と右肩にひび。怪我による高熱。入院が必要。しなければ、命の保証は出来ない・・・って言われたよ。」





「それなのに、何で出てきちゃうんだよ。」





「・・・どうしても、バレたくない人たちがいるから。一緒に住んでる大切な家族もいるし・・。」




夏音は目を閉じた。