それから毎日、夜遅くまで練習した。
人に聞いてもらうなら、ちゃんとしないと・・そう思ったから。私なんかでいいのかと未だに思う。
夜道を歩いていると、目の前に塚原の姿があった。
塚原は何も聞かずに毎日迎えに来てくれ、帰り道には、たわいもない話をしながら帰る。
夏音はいつかバレてしまうのではと心配していたが、塚原はというと全く気にする様子もなかった。
ーー 前日。ーーーーー
塚原にお祭りに出るバンドのボーカルをと頼まれたことを告げた。
「俺は?行ってもいいの?」
「耳ふさいでてくれるなら。」