「ねー、要ちゃん。面白いことより女の子が喜ぶようなことすれば?その方がお客さんたくさん入ると思うしいいと思うんだけどなー。」

「女の子を喜ばせることかー。」

女の子を喜ばせること、喜ばせること……。

…………あ!!!

私は陽が言っていた去年のミスコンのラストの種目を思い出した。

そーだ!!これだよ!!これだったら女の子喜ぶじゃん!

「ねー!陽、これとかどう!?」

「んー?どんなの??」

私はさっき思いついたことを陽に話してみる。

すると、陽は面白そうに笑った。

「フフッ。面白そうだね♪でも、そうがのるかどうかだよねー」

「大丈夫!!策はある!」

一か八かだけど……。

ま、やってみよう!!

早速そうを探さなきゃ。

「んー、そうどこにいるかなー?屋上とか??」

「あ〜、放課後だったら図書室にいるよー。あー見えてそうって読書家なんだよー。」

「え、そ〜なんだ。意外。よしっ。図書室に行こう!」

私が図書室に向かおうと席を立ったんだけど……。

ガタッ。

「……どうしたの?陽。」

「……ん。」

陽が突然私の腕を掴んで離さない。

珍しく真剣な顔だし……どうしたんだろう?

「ねー、要ちゃーん。もう少しいようよー。僕疲れたー。」

「もー。そんなこと?ダメだよ!いつそうとすれ違うか分からないだろ!?だから、早く行かなきゃ……。」

「……。えー。そんなに焦らなくても……。」

「そりゃ、焦るよ!ほら!陽、手を離して!!」

急がなきゃ!

そういう一心で陽の手を離そうとしたんだけど……。

ギュッ。

「……ッ。陽?痛いよ……。」

陽が今まで握っていた力を強めた。