てことで当日……。

何やってんだよ要の妹(怒)

遅すぎる!!

俺が腹たっているとー。

……ん?

あれが要の妹のかなでか?

後ろ姿が要そっくりのやつを見つけた。

まあ、声をかけるか。

「おいお前。」

気づいてないのか?

「おい。かなで。」

あ、キョロキョロしだした。

気づいたかな。

てか……。

「小せーな。上だ。」

こいつ、身長なんぼだ?

150前半?

俺が身長なんぼか考えているとあいつ、かなでは後ろを向いた。

「ねえ、小さいは失礼だよ。ねえ?」

うわ……。

何こいつ。

目丸いし肌白い。

髪フワフワだしまじでやべー。

不覚にも俺はこいつ、かなでに見とれてしまった。

「おーい。聞いてる?おーい。えーと、そう?」

ドキッ。

いやいや、ドキッじゃねーだろ俺。

なんでドキなんだよ。

とりあえず……。

「お前、要の双子の前原奏だな。」

「うん。かなでもかなででもなんでもよんで。」

それから一応俺の説明をした。

つかの間……。

「奏?」

急に呼び捨てかよ!

しかもそんな可愛い声で呼ぶな!

やばい……。

今日の俺はどーかしている。

「……でいい。」

「え?」

「そうでいい。かな。」

え、赤くなった。

いや、気のせいだ。

「かな?早く行くぞ。遅刻する。」

かなは小走りで追いかけてくる。

その小走りでさえも可愛いと思えてしまう。

認めたくない。

俺は女嫌いなんだ。あんな事があったのに……。

好きになるのが怖い。

でも、この気持ちは……。

はー。

らしくねーな。

こんなにぐだぐだ考えてるなんて。

本当に要の言う通りだ。

かなは女子恐怖症が気にならないくらいに可愛い。

不覚にも俺は……。

かなに一目惚れをしてしまった。

これから辛いことがあることも知らずに……。

好きになってしまった。