5年後…

私は今、京で暮らしている。

父との約束は果たされていない。
でも、もう無理だ。
この前、父が死んだと聞いた。

トントン

誰だろ。

「はい。どなたですか?」
?「よお。」
「え…?烝?」
烝「久しぶりだな。椿鬼。」
この人は山崎烝。私の幼なじみだ。

「久しぶりだね。入って?」
烝「邪魔するわ。お前が追放されたって聞いて歳も一も、もちろん俺も心配したんだぞ。」

「あぁ。あれさ〜。私も証言したんだけど『バケモノ』の言うことなんて信じてもらえないよね。」

烝「椿鬼は『バケモノ』じゃない!誰よりも優しい普通の女の子だ。」

「ありがとう。でも、もういいんだ。
だって、私が出ていったことで怯えずに幸せに暮らしている人がいるんだし。」