どうにかこうにかここで話を
終わらそう。

今のめんどくさいより
後のめんどくさいの方が
よっぽどめんどくさい。


あたしは硬直しつつあった頬をにぃっと歪める。


「わかった。雨をやますわ。それで満足?」

そう言葉をかけると少年の眉間からやっと皴がとれた。

「いいよ!!僕は濡れなかったらそれでいいんだ!!」

「ただ、あたし雨の止まし方、わかんない」

「じゃあ僕も手伝ってあげる」



奇妙な会話だ。



夏休みはもう終わったのに

何かの魔法でもかかってるのか。



少年が小走りに走り出したので
その後ろを早歩きで追いかけながら

あたしはそう思った。