「本ト、びっくりだよ…」

久し振りの再会に、皆が気を利かせてか、私と実菜子…ミナトは、さっき陽子さんと座ったボックス席に移動した。

「今はミナトって呼んで♪」
と、茶目っ気たっぷりに言うけど、

「実菜子は実菜子だもん…」

と、私はそれを拒んだ。


「やーだ。ミナトって呼んでくれなきゃ、返事しなーい。」

…って。
誰だ?
これ…

「本トに実菜子だよね?」

「だーかーら、ミナトだって。」

ぷぅーって膨れて、ぷぃっていじけたフリをする目の前のイケメンは、明らかに私の知ってる『実菜子』ではなかった。