「ここが、私たちの部室で使ってる教室よ。」
南校舎の2階は、学級のクラスとして使われている教室は少なく、
大半は資料室や補習用の教室、文化部の部室として使われていた。
放課後なので他の教室はひと気がなかったが、部室と
言われた教室は明かりが灯っており人の話声も、内から聞こえてきた。
ドク、ドク…
智子は見知らぬ集団に入るのと、意中の彼と初めて接触を持つかもしれない
という緊張で鼓動が高まり、手が汗で濡れていることに気が付いた。
(堂々としなければ、)
ガラッ
智子が緊張を抑えようとした瞬間、ミヅキが教室の扉を開けた。