(うーん、なかなかおもしろいかもしれない。)
家に帰っても本を読み続けていた智子は一息ついて思った。

智子のこれまでの知識では地球温暖化とは、
『そもそも地球の平均気温が約15℃に保たれているのは
大気中にメタンや二酸化炭素などの、大気中の熱を吸収する温室効果ガスが
含まれているためである。
しかしながら、近年、この温室効果ガスの中で特に二酸化炭素が
産業や技術の発達により、増加し続けており、それにともない、
地球の気温はここ50年くらいで急激に上昇している。
このままいけば、100年後には地球の平均気温は2~3度上昇し、
南極の氷が溶けて海面が上昇し、海抜の低い国や街は水没しちゃったりして、
そればかりか異常気象や自然災害が世界各地で頻繁に起こるように
なって、とにもかくにも地球がとんでもないことになってしまう。』
というものであった。
この認識は本の中でもだいたい同じようなものであった。
ただ、近年の気温上昇は、
二酸化炭素の増加が原因かどうかは
まだ分らないとする見解が数多く存在するということだった。
気温の上昇は二酸化炭素の増加によるものだ、という趣旨の本では、
大気中の二酸化炭素と地球の平均気温の変化の
グラフを並べた図を載せていて、たしかに大気中の二酸化炭素が
増えればと地球の平均気温は上がり、逆に減れば気温は下がっている
のがデータから読みとれた。
しかしながら、二酸化炭素よりも、太陽の効果の方が地球の
気温変化に対する影響が大きいとする本では、
太陽活動の変化と気温のグラフを載せていて、このグラフを
見る限りは、気温の変動は、太陽活動の変化によるものである
と読み取ることができた。
つまり二酸化炭素の増加は、地球温暖化の原因の一つの可能性に
すぎないという意見が科学者の間では結構多くあるということだ。
また、家庭から出るごみを分別して、ごみをリサイクルしていこうと
いう動きに対しても、今の技術では物によっては、リサイクルするのに
大きなエネルギーがいるため、焼却するよりもリサイクルする方が環境に
悪影響を及ぼすのだという本もあった。