学校が終わると智子は綾子と一緒に県立図書館へ行くことにした。
学期末試験まで残り一週間となり、自分も試験勉強をはじめようと
思ったからだが、智子にはもう一つ目的があった。
それは地球環境問題関係の本を借りることであった。
智子は月末会で鹿山君とイイ感じになる妄想の最中に、環境問題の話が
でた時の事を考え、環境問題に関して知識がない今のままでは
その事に関してあまり話が出来ない事に気づいたのである。
それに、地球環境クラブに入ったのが男目当てであることが、
他の部員にバレないようにするためにも、環境問題に関して
多少なりとも知識を持っておくことは重要だと考えたのだ。

図書館に着くと、綾子は教科書や問題集、参考書を出してさっそく勉強を
始めた。智子は、綾子の横の席に鞄を置き、取り敢えず環境問題の本を
探しに、自然科学の棚へ向かった。
環境問題関係の本は結構たくさんあり、容易に見つけることができた。
地球温暖化に関する本が多かったが、智子が以外だったのは、
地球温暖化に対して否定的なタイトルの本の割合が多いことであった。
地球温暖化の嘘、地球は本当に温暖化しているのか?、
嘘ばかりの地球温暖化問題、…etc。
(どんな分野にも王道に反駁する少数派は存在するものだけど、
地球温暖化問題ってずい分と否定的な本の割合が多いのね。)
智子はとりあえず、ベーシックな?地球温暖化を肯定してそうな本と、
温暖化に対して否定的な本、そしてそれらの中間?的な地球温暖化問題について考える
的な本をまんべんなく借りることにした。
図書館では試験勉強をして、本は家に帰ってから読むつもりであったが、
結局智子は図書館にいる間ずっと借りた地球温暖化の本を読んでいた。