「帰りてー・・。」
高校の入学式。偏差値は40ぐらい。頭の悪い県立高校に入った。もっといい所を進められていたが私は勉強をしたくなくて、ノー勉で入れるような所を選んだ。まあ受かった。
けれど私は学校そのものが大嫌いだったので早く帰りたかった。でも教室に1回入らなければならない。仕方なく私は皆に流されて教室に入った。
「名前なんていうのー?」
「どこ中出身?」
「歌手誰が好きー?」
うるさかった。私はもう機嫌が悪かったので誰とも話さないようにしていた。
 すると隣から女の子に話しかけられた。
 「私まい。よろしくね」
さすがに入学してすぐにシカトかますのもやべーなと思い、よろしく、と返した。
その後仲良くなったがまいちゃんは2年になって中退してしまった。
 入学から1週間程たち、とりあえずだいたいの人とはライン交換できたし友達もまあまあできて順調だなと思いながら帰宅した時、ラインの通知が来た。
 (俺の事わかるー?)
・・・知らん。私は顔と名前を覚えるのが本当に出来なくて、全くわからなかった。
 (ごめんわかんない。)
嘘をついても仕方ないので正直に言った。何往復かラインして、その男がヒデという人だと覚えた。
 次の日学校に行ったらそいつの顔がわかった。ヒデはまあまあかっこよくて頭の悪そうな人種だっだ。私は自分よりバカな人がタイプなのでうれしかった。
 その後、一緒に海に行ったり遊んだりして仲良くなり、夜、私からラインで告白をした。
(好きかも。付き合ってくれない?)
私は好きになったらすぐに伝えるタイプなので伝えた。それでもやっぱり緊張はするもので、返事が来なくて怖かった。
1時間ぐらいたったとき通知が来た。心臓が壊れるかと思った。
(よろしくね。)
読んだ瞬間私は家の階段を駆け下りて
「まま彼氏できたー!!!!」と叫んだ。
ままは、よかったじゃんとしか言ってくれなかったけどそんなことはどうでもいい。幸せだった。
 ヒデはバスケ部だったのでバスケ部のマネージャーになった。バスケ部の人とも少し仲良くなった。
 けれど私は学校では友達とすらあまり話さなかった。学校ではどうしてもテンションが上がらないのだ。もちろんヒデとも本当に少ししか話さなかった。けれど放課後や土日は結構遊んでいたし、ラインも毎日してたし楽しかった。ちなみに処女もここで捨てた。私は本当にヒデが大好きだった。
 でもいいと思っていたのは私だけだった。
一緒に学校から帰っているとき、
「そーいえばもうそろそろ1か月だね」とヒデが言った。私は記念日とかはあまり気にしない方だったので知らなかった。でもとりあえず「これからもよろしくね!」と返した。あとどのくらい続くんだろうなと考えていた。
「別れよ」
・・・?記念日の話の後にそれ言います?
「まじ?」
「だってあんま学校で話してくんないし。バスケ部の奴らと仲いいし。」
私は相手が終わらそうとしているのに引き留めるという行為は無駄にしか感じなかったので「わかった」と返し、一人歩き出した。涙は出なかった。
家に着いた。涙が溢れてきた。ままはすごく心配してくれて話したいだけ話し、思いっきり泣いた。
1週間後、やっぱり好きで夜にラインしてみた。
(学校でも話すようにするし悪いとこ直すからもう1回付き合って。)
返事は(考えてみる)だった。
次の日、部活が終わった後仲のいい男の子がイチゴオレを飲んでいたのでどうしても飲みたくなり一口もらった。間接キスなんて考えてなかった。飲みたかったからもらった。それだけだった。
 ・・それがだめだった。
(あーゆーのほんと無理。何考えてんの?)
ラインが来た。めんどくさかった。そんなの気にすんの?ばかじゃないの?それ以降ヒデと関わることはなかった。後になって、それは高校生の一般常識としてはおかしいことに気付いた。遅かった。
1か月ほどたち、私はまだヒデのことを吹っ切れていなかった。ヒデにはもう新しい彼女がいた。
そして出会い系アプリに手を出した。単なる暇つぶしにしようと思っていた。そこから私の人生は変わり始めた・・。