「ごめんな……ヒサ……」 「……」 私は思い切り頭を振った。 気付かれてはいけないと、震える手をギュッと握った。 こんなにも、センパイと話すことが緊張するなんて……。 「今はまだ覚えているのにな。 この図書室も、この景色も……ヒサのことも」 そっと私を見つめた。 「……センパイ……」 ドキン ドキン 目が合っただけで、こんなにも胸が苦しくなる……。