「あっ……あ、私、先帰ってるね」 慌てるように奈々ちゃんは、図書室から出て行った。 「……」 ドキン ドキン ドキン…… ドキン…… 一歩一歩センパイが近づく。 センパイは私の横を通りすぎ、カタンと出窓に手をつくと、身を乗り出すように外を見た。