……めんどうくさい女ですとも。

 少女マンガなノリが似合わないのも知ってます。

 だからせめて顔だけはうっとおしくならないように、きりっ、と引き締めながら、ようやくわたしは、分厚い週刊マンガ雑誌を開いてるブレザーの背中をとん、と叩いた。

「やぁ、陸」

「香緒里!」

 片手を上げると、陸はぱっと明るい表情で振り返って、マンガ雑誌をラックに戻そうとする。

「あ、キリのいいとこまで読んだら?」

「だいじょーぶ。もう何べんも読んだから」

 だいぶ待たせてしまったようだ。反省していると、陸は照れたように笑った。

「こんなの時間潰しだって。さ、行こうぜ」