姫花が誰にも気がつかれないまま日本を発ちしばらくして賢次が帰国し、AQUAに顔を出した

「よぉ、久しぶりだね」

珍しい顔にアリは一瞬驚いた顔を見せたが、すぐにいつもの笑顔になった

「戻ってここしか来る所はない俺はかなり寂しい男だよね」

と賢次は笑った

「おいおい・・・ 聞いたぞ? 抱かれたい東洋人ナンバー1になったんだって? そんなセクシー路線まっしぐらな男がよく言うねぇ」

とアリは賢次の前にグラスを置く

「サンキュ・・」

賢次は何も言わなくても出してくれる、この空気にホッとしている自分にすこし笑いながらもグラスに口をつける

「最近あいつらも顔出す?」

「ボチボチね・・ ったく売れだしたらココの事忘れてんじゃねぇの?」

アリが思い出すのは高校生のころ

「来れるなら毎晩来るって・・」

と賢次は笑った

「あ~でも、姫は最近見ないな~」

アリはグラスを磨く手をすこし止めた

「へぇ~ あいつも相当忙しいみたいだね・・ どのくらい来てないの?」

「半年くらい顔見てないかもね」

というアリは寂しそうに笑った

「そんなに!? 他の皆は?」

「月に2~3回は顔を見せてくれるよ? ガクはオーナーになったしね」

「へぇ・・ ここの権利、親父さんからもらったんだ?」

「・・と思うでしょ? ガクが親父さんから買ったらしいよ?」

「マジで!?」