『なら、なぜその髪色で来たんですか?』
キラに会いに来たなら焦げ茶色じゃないと相手にされないこと、先輩なら知ってるんじゃないのか?
「この色しかウイッグが無かったのよ。染めるのも面倒だったし。それに、本当に焦げ茶色の子しか相手にしないのか確認もしたかったの」
「学校で噂になり始めてるのよ。まぁ本当だったみたいだけど」
噂、広まってたんだ。
それは別にいいんだけどさ
先輩が会いに来た理由は、噂の真相を確かめるためだけなのか?
『噂を確かめるために、会いに来た訳ですか』
「もう一つあるわ。こっちが本題と言ってもいいわね」
言葉を一旦切り、ふぅと息を吐いて続けた
「私と、付き合う気はある?」
それはどんな意図があって言っているのだろうか?
今まで体目当てでよってくる女は沢山いたが先輩はそんなことはしたいだろう
僕が黙っているとキラに新しい噂がある事を教えてくれた
”愛に飢えた狼”
そう呼ばれているそうだ
僕が相手にしてきた女達が
”キラは私ではなく違う誰かを重ねている”と口を揃えて言っているらしい
で、それが広まっているのだそうだ