――すべての授業を終えて放課後になった。
いつもなら憂鬱になる時間
だって、永遠と紗綾ちゃんが仲良さそうに
腕を組んで帰っていく姿が見えるから──。
でも、今日はクレープが待っている!!
それだけで辛いのも忘れよう。
「叶愛、行こー」
菜実の声が聞こえて、
カバンを肩にかけて菜実のところに向かう。
「楽しみだねっ」
それからあたしたちは他愛のない会話をして
数十分でクレープ屋さんに着いた。
「ご注文お決まりですか?」
そう言われても...
メニューがいっぱいありすぎる。
いつもはイチゴカスタードアイスクレープなんだけど...
たまには違うのでも...
「私、バナナチョコクレープで!」
悩んでいると、菜実はもう決めたみたい。
菜実はいつもバナナチョコクレープだ。
バナナが嫌いなあたしにはありえない話