「華のとこ寄ってっていい?」



少し前なら、平気で啓太をマンションの中に入れた。



たけど啓太の気持ちを知り、二人切りになるのが怖い。


どうすればいいのか分からない。



いつもいいよ。と言ってるのに今日は駄目と断るのもおかしい。



啓太をいつも通り部屋に入れた。



この状況で彩夏の事なんて聞けないし、どうしよう?



何で部屋に入れてしまったんだろう。



啓太はベッドに座って雑誌を見てる。



「啓太、今飲み物持ってくるから。」



啓太が私の腕を掴んだ。



「飲み物はいらない。オジサン又いないのかよ。」



「海外出張で半年は帰って来ない。」



「何で俺に言わないんだよ。華、又一人ぼっちなんだろ。」



啓太に抱き締められてしまう。



啓太の腕の中は暖かかった。



でも今抱き締めてもらいたいのは、啓太ではない。



ごめんね。啓太。



もう啓太に甘えられない。