お詣りの帰り参道で啓太と彩夏に会った。



「華おめでとう。」



「啓太彩夏おめでとう。」



「華着物可愛いよ。ねぇ啓太。」



『ああ。』



啓太は私を見ようとしない。



「啓太受験頑張ってね。啓太なら大丈夫だよ。あんなに勉強頑張ったんだからさ。」



『華ありがとうな。着物似合ってるよ。』



啓太が私と一輝を見る。



一輝が夕顔を抱き、私は一輝の腕に自分の腕を絡ませていた。



『華幸せそうだな。安心したよ。 沢田華を必ず幸せにしろよ。


泣かせたらただじゃ済まないから覚えて置けよ。


じゃぁな!』



啓太は彩夏の手を引いて行ってしまった。



啓太ありがとう。



今までずっと私のそばにいてくれて、



本当にありがとうね。



啓太を愛せなくてごめんね。



でも啓太をずっと愛してる彩夏がいるから、



早く彩夏の気持ちに答えてあげてほしい。



啓太さようなら!



私は一輝の腕にしがみついた。



『華大丈夫か?』



一輝大丈夫だよ。



私には一輝がいるもの。