思わずかず君の後ろに隠れた。



かず君が鍵を開けると、田村医師と一緒に水嶋カオリが部屋に入って来た。



薄紫のワンピースに、肩には白いストールが巻かれていた。



女優の水嶋カオリが立っていた。



綺麗で見とれてしまう。



とても38才には見えない。


田村医師と一緒にいると同じくらいの年に見える。



これが本当に私のお母さんなのだろうか。



「とにかくみんなで座ろう。」



「そうだね。華も座って。」



かず君に引っ張られ私は座った。



「華ちゃんでしょ。」



黙って頷いた。



「大きくなったわね。今日はありがとう。こんな私に会いに来てくれて、凄く嬉しい。」



そう言ってカオリさんの目から涙が溢れた。



「私も会いたかったです。でもカオリさんが、お母さんだなんて信じられなくて。」


カオリさんが微笑んでバックから何かを取り出した。



何だろうか。