夕顔ちゃんが気持ちよさそうに眠っていた。



かず君は寝ていない。



「眠れないだろ、向こうでお茶でも飲む?」



夕顔ちゃんを起こさないように、ベッドからそっと下りた。



居間のソファーに二人で座る。



「華ちゃんごめん。我が儘な夕顔に付き合わせて。」



「先生、違う、かず君、夕顔ちゃんの気持ち分かるから気にはならないよ。」



「華ちゃん、かず君でいいから、まぁ学校でかず君はまずいけど。」



「かず君って呼ぶの大変だから、学校では沢田先生って呼ぶので安心して下さい。」



「夕顔は人見知りで保育園の先生にも中々慣れなくて、華ちゃんにあんなになついた事に驚いてる。夕顔の嬉しそうな顔始めて見たよ。俺は夕顔に甘いな。」



かず君にそんなふうに思われて嬉しい。



涙が溢れた。



かず君はそんな私を見て、何も言わずに抱き締めてくれた。



かず君の腕の中はとっても暖かかった。