「一輝が彼女をどれだけ愛してるのか分かったわ。今度はこの子自分の手で育てるつもりよ。こんな事になって恥ずかしいけど、一輝と夕顔の幸せ願ってるから。」



部屋がノックされ、田村先生に抱っこされた夕顔が入って来た。



「パパとママ来るの遅いから、たーちゃんと迎えに来た。」



たーちゃんて誰?



「僕でーす。」


「夕顔先生と友達になったんだ。だから先生の事たーちゃんて呼ぶの。」



かず君は呆れ顔苦笑い。



私もつられて笑ってしまった。


「ママ早く抱っこして、たーちゃん下ろして!」



さっきまでたーちゃんって喜んでたのにと、田村先生は拗ねていた。



夕顔を抱き上げた。



「ママもうお話終わった?」


「うん終わったよ。夕顔お腹空いちゃったね。」



「ママ早くマンションに帰って、ママのハンバーグを食べたい。」




了解しました。




スーパーに寄ってお買い物しよう。




お弁当の材料も買いたいし、あ、私まだ入院中だった。




いつも何かを直ぐに忘れてしまうのは、私の悪い癖だ。