｢君が俺たちの事をばらすと言うなら、俺も君とお腹の父親の事を世間に公表するつもりだ。｣



｢一輝私を脅迫するの。｣



｢最初俺たちを脅したのは君だろ。君が俺たちの事黙っていてくれるなら、俺は何もしない。華と生きて行きたい。｣



かず君が私の手を握る。



｢由美さんもお腹の子供の父親と話し合って、三人で幸せになる方法を考えて下さい。家族っていいですよ。先生と夕顔ちゃんと幸せになりたいんです。由美さんも幸せになって下さい。｣



由美さんが泣いていた。




あれほど強がっていた由美さんが泣きぐすれた。




もう由美さんに強い敵対心なんて無くなっていた。




由美さんも母親だから、お腹の子供を必死に守ろうとしたんだと思えた。




由美さんは見た目より弱い人なのかも知れない。




誰にも甘えず、一人で強く生きて来た。




だけど、一人でどうしようか悩んだのだろう。




間違った選択たけど、何だか憎めなかった。