「パパ裸で寝ちゃ駄目でしょ。」



夕顔の声に反応して、田村医師が病室に入って来た。



「沢田ここはラブホじゃないんだからな。」



かず君が慌ててYシャツを着た。



「昨日は病室の外まで、華ちゃんの声が聞こえたよ。」



「わ、わ、私、声なんか出してませんから。」



「華本気にするな。田村はからかってるだけだから。」


「華ちゃんは、本当に可愛いなぁ。」



かず君が田医師を睨み付けた。



「ごめん、ごめん。沢田怒るなよ。沢田に話して置きたい事があるんだ。華ちゃん沢田少し借りるな。」



かず君は一時間くらいして病室へ戻って来た。



病室へ戻って来たかず君の顔は、さっきまでのかず君の顔ではなかった。



「かず君田村先生と何を話したの? 」



「とって置きの切り札の話しをした。華は何も心配しなくていいから、俺を信じて全てを任せてほしい。」



それ以上かず君に聞くのを止めた。



愛するこの人の全てを信じて、任せよう。




絶対大丈夫だと思えた。