暫くするとかず君保健室に入って来た。



｢姫野大丈夫か？背中にヒビ入ってるといけないから、病院へ行くぞ。夕顔が入院してる病院だ。あの病院には俺の同級生がいて、病院に電話入れたら診てくれるそうだ。｣



｢沢田先生ごめんなさい。迷惑ばかりかけてしまってすみません。｣



｢姫野気にしなくていいから、俺はおまえの担任なんだから心配するのは当たり前だろ。｣



かず君が私の顔を覗き込んだ。



｢華が無事で本当に良かった。俺·· ｣



かず君が私に話しかけようとすると、彩夏がそっと保健室を出て行った。



彩夏はかず君と二人切りにしてくれたんだ。



彩夏ありがとう。



｢華が無事で本当に良かった。もっと早く助けてあげられなくて、ごめん。華の担任も華の彼氏も両方俺は、失格だな。｣




私は渡邊もかず君と同じ教師だから、絶対あんな事しないと信じていた。




何処までもお人好しのバカなんだから、自分でも呆れてしまう。