彩夏が抱き締めてくれた。


「華一杯泣いていいから、沢田なんか忘れちゃいな。あんな意気地無し見損なった。なんであの女の言いなりなの頭来た。」



彩夏ありがとう。



でもね。



かず君が好きなの。



かず君とはもう駄目なのかも知れない。



たけど嫌いになんかなれない。



もう何も望んだりしない。


ただかず君の生徒でいたい。



かず君には私の先生でいてほしい。



少し前に戻るだけ。



先生と生徒に戻るだけ。



明日は笑ってかず君と会えるかな。



「華もうこれ以上我慢しないで、啓太が知ったら、沢田ただじゃ済まないから。」



「誰がただじゃ済まないって!」



「啓太いつからいたの?」



「今来たとこ。玄関開きぱなしだし、何があったんだ。」



「沢田はもっと男らしい奴って思ったのにさ。元妻のいいなり。華の見てる前で、もう一度やり直すなんて言ってる。華の事バカにして、沢田の奴最低なんだから。」




啓太の顔色が変わった。




啓太を怒らせると怖い。




沢田先生を殴ったりはしないよね。