かず君が私を庇い由美さんの手を掴んだ。



「由美止めてくれ。姫野に八つ当たりするな。姫野は俺の大切な生徒なんだ。由美の言うことは、俺がなんでも聞く。頼むから姫野に手を出さないでほしい。」



かず君私は平気なのに。



由美さんに叩かれても痛みすら感じない。



かず君のそんな辛そうな顔を見たくなかった。


「分かった。この子には何もしない。その代わり、私ともう一度やり直して。一輝と私と夕顔と一緒に暮らす事を、この子の前で誓ってよ。」


「沢田先生良かったですね。三人で幸せになって下さい。」



私は泣くのを必死に我慢して、微笑んだ。



「華俺は···」



かず君の言葉を聞かずに部屋に逃げ込んだ。



「沢田って最低、許さない!」



私は玄関で大声を上げて泣き叫んだ。




もう終わりだ。




かず君バイバイ。




夕顔、約束守れなくてごめん。