「彩夏も啓太もありがとう。今日は彩夏のとこ泊まるから。啓太の優しさに甘えられたら、私どんなに幸せかって思うよ。一人でも生きていけるように強くなりたい。幸せを自分の手で掴みたい。」



「俺は華がそばにいてくれたらいい。俺を愛してくれなくても、今までみたいにずっと一緒にいたい。離れたくないんだ。」



彩夏の見てる前で、啓太が私を抱き締めた。



「もう啓太のバカー。なんか私たちバカ同士だね。」



彩夏が泣き笑いをした。



「本当だな。俺彩夏を好きになりたかったよ。」



そうなれば良かったけど、人の気持ちは思うようにはならない。



私は笑うしかなくて、でもずっとかず君の事ばかり思っていた。


啓太が明日迎えに来ると帰って行く背中に向かって、彩夏が叫んだ。



「啓太、私諦めないよ!啓太が私を見てくれるまで頑張る!」



啓太は何も言わずに帰って行った。




彩夏は強い。




私も見習わないといけないと思った。