「おい、それ持ってやる。」




「芹沢くん⁉︎なんで?別にこのくらい大丈夫だから。と言うかなんでここに?」




「部屋隣じゃん。それに俺もゴミ捨ててきたところで声聞こえたから。」




「あっ、そう…。まぁ大丈夫だから。その気持ちだけありがとう。」




私はあまり2人で話す気になれず、その場を立ち去ろうとした。




「いいから貸せ。」




通り過ぎようとした私に気にせず、芹沢くんは私からゴミ袋を剥ぎ取る。




「だから大丈夫だってば…!」




「昨日は悪かったな。」



芹沢くんは私の"大丈夫"を流して謝罪の言葉を口にした。



私は何となく何についての謝罪かはわかったが、びっくりして聞き返した。



「え?」



「だから昨日の。今ならお前が怒る気持ちがわかるよ。」




「そっか…。好きな人でも出来たの?」




私は知らないふりして聞き出そうとする。




「んー、好きっていうか気になる人かな。」




「同じクラスの人?」




「おう。」





「そっかぁ〜!頑張ってね、応援してるよ。」




「誰か知りたくねぇの?」




「別に何となく予想できたし…あ、ゴミ持ってくれてありがと!」



そんな会話をしながらもうゴミを捨てて部屋の近くまで戻ってきていた。




「じゃ、またね。」




そう言って私は部屋に戻る。



話を無理やり切るかのように。



相沢くんにあまり刺激しないほうが良いと言われたから、ここまで情報収集できただけ良い方だろう。





「楓ー!おかえり!こっちのチェックは全部終わってるよ!」



「ありがと!こっちもゴミ捨て完了です!」




「よし、じゃあ後は集合時間までゆっくりしてるだけだね〜」




「ねぇねぇ、美香ちゃん。」




「ん?どした?」




「芹沢くんね、気になる人が居るみたい。さっき相沢くんに聞いたんだけど…」




「え、まじかぁ〜…もう失恋かぁ…」




「違う違う!美香ちゃんが好きなんだよ!」




「……………え?」




「だから美香ちゃんなんだって!」




「えぇぇぇぇぇ⁉︎え、え、それって相沢くんがそう言ったの⁉︎」




「いや、同じクラスって言ってた!それに今一番仲良いのは美香ちゃんじゃん!」




「同じクラスかぁ、なんだぁ〜。びっくりさせないでよ楓。私じゃないかもじゃん。」



「私が観察する限り美香ちゃん以外に話した人はいないし、逆に美香ちゃんじゃなかったらおかしいよ!」



「そうなのかなぁ…なら頑張ってみようかな!」



「うんうん!私も嬉しいよぉ!」




私たちは恋バナというもので盛り上がり気付けば集合時間のギリギリまで大声で楽しんだ。


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