『こーんにーちはー!あ、そちらの世界で言うとこんばんわ、かな⁇』
頭に直接入ってくるような声に私は驚き、思わず「え⁉︎」と声を出してしまった。
寝る前に一緒にテレビを見ていた美香ちゃんも驚いてこっちを見た。
「急にどした?」
「ごめん。なんでもない!ほら、録画予約してたかどうか考えてただけだよ〜」
『うわぁ〜ギリギリの言い訳ですねぇ。』
また聞こえる。デモルンだ。
前にもこのような事はあったので、私は心の中で会話をする。
(急に何?それに紙は持ってきてないのにどうして…⁇)
『貴方と私は契約をしているのです。紙がなくても脳への干渉くらい、私にかかれば簡単です♪』
(あっそう…。それで何の用⁇)
『あぁ、そうです本題はですね!貴方最近あの黒い紙使ってないでしょう⁇こちらも貴方の願いがエネルギー源ともなっていますので使わない期間が長くなるのお腹がすくのです。』
(へぇ、そうなんだ。)
『だから今回、特別大サービス!今もし何かあればわたしに言う事でコマンドの利用が可能になります。何か作りたいもの、消したいものはありますか?』
(え、えと…んー…)
私は考えた。お風呂での出来事を考えたら芹沢くんの中から何か消した方が良いのか。
それとも新たな気持ちを作るべきか。
『貴方はいつも他人の事ばかりですねぇ。』
(私がしたくてしてるんだからいいの。じゃぁ、芹沢くんに恋をさせよう。あんな事言うんだから一度ちゃんとどんな気持ちか知ってもらうべきだ。)
『ではそれでよろしいですか⁇』
(うん。よろしく。私はもうテレビを見る方に集中するから。美香ちゃんとも話したいし。)
『かしこまりました。ではcreateしておきますね♪』
そう言ってからデモルンの声は聞こえなくなった。
これで芹沢くんにもわかるだろう。何故私がキツく当たったのか。
そして自分が間違えてしまったという事に気づくだろう。
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『貴方は過去に1度芹沢海斗の中に好意を作ったことをお忘れになられてるんですねぇ。2回同じ気持ちを作るとより強い気持ちになってしまうというのに…。まぁこれでこそ面白い。最後まで見させてもらいますからね………」
私は適当な考えで道を間違えてしまった事に、この時は気づかなかった。
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