「春人・・・?」

後ろを向くと柚萌が立っていた。

「何?」

わかってる。

冷たく言ってごめん。

「あ、あのバス乗らないの?」

そんなオレにひるまず話しかけてくれる。

期待しちゃうじゃん。

「わかった」


* * * * *

「なぁ、春人」

バスに揺られて酔いそうなオレに隣の春真が話しかけた。

「あ?」

「・・・・オレ、柚萌のこと好きだから。」

―ボドッ

持っていた水を落とした。

「だから?」

「冷静だね。」

冷静じゃねーよ。

「だからこの宿泊研修で告る」

ま じ で?

ヤバいって。

横目で柚萌を見た。

友達と笑っている。

「へー」

「いいの?」

「何が?」

「告っていいの?」

「勝手にすれば?」

水を拾い、目を瞑った。