―side 春人―

「行ってきます!」

春真が勢いよく家を飛び出した。

でも、オレはのんきにパンを頬張っている。


家を出たのは春真が出ていった3分後。

無言で玄関の戸を開けると、春真の名前を呼びながら走る柚萌がいた。

・・・へー。

春真と行くんだ。

一石二鳥じゃん。

オレは、柚萌と行かなくていいし。

春真は柚萌のこと好きだし。


オレは二人の後ろを歩いた。

・・・別にいいし。