「――っ?!…いいんじゃねぇ?」

そういうと竜夜はふいっと顔をそらし、立掛けてあった月牙を持つ。

「ねぇ。竜夜」

そんな竜夜に月華はゆっくりと声をかけた。

「なんだよ…」

するりっと細い腕を絡ませる。

背伸びをして首すじまで顔を近ずけ、耳に息を吹き込む。

「お願いがあるの」


「―――!」

びくりっと竜夜が反応する。

「お、おまっ離れろ!」


だが、時既に遅し。