「だから、春歌にはなかなか会えなくなっちゃうけど。でも!長期休暇貰えたら、即日本に帰ってくるから!待っててね!」



お母さんは、私の手を取ってぶんぶん振り回す。



「分かった!分かりましたっ!だから、それ止めて………」



お母さんは、慌てて握っていた手を離す。



「急でごめんな。いつも春歌には迷惑かけてばっかりだ。」



「ううん。全然迷惑じゃないよ。だって、お父さんもお母さんも、家族のために一生懸命働いてくれてるんだもん。迷惑なはずがないじゃん。」




「春歌………」


「無理しなくていいのよ?」



「無理なんてしてないよ。アメリカでも頑張って。」


「春歌ぁ…………!」


「大好きだからね!お母さん、暇が出来たら電話するからね!」



「二人こそ無理しないでよね。」



私は最後ににこりと笑って、自分の部屋に戻った。




親がいないのくらい慣れてたし、寂しいとは思わない。



私はそれよりホームステイのことが気になって気になって仕方がない。



優里って子、いい子だといいんだけどなぁ…………



いじめられたりしたらどーしよ。



なんて、ネガティブ思考をしてしまう私。



2年もお世話になるんだし、仲良くなれなかったら最悪だからなぁ。



人見知りは何かと大変です…………。






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夕方の6時過ぎ。



ようやく荷物をまとめ終わり、私はお姉ちゃんとともに最寄り駅まで来ていた。




お母さんたちとはさっき別れた。



二人とも、飛行機の時間に遅れると騒いでいたから何だか心配…………。




お姉ちゃんはもうすぐ仕事の時間だから、私はひとりで住所を辿ってホームステイ先に行く。