「藍野。こっち向け。」



やばい、何か今の逆効果だったっぽい。


後ろの黒いオーラをまとう人物は、ゆっくりと私に近づいてきていることが気配からしてよくわかる。





……だってさ、オーラが黒いんだもん。


逃げずにはいられないよね?



だっっっっっっ―――――。


「おいっ、待て!バカ藍野っ!」



やだよーだ。バカはどっちだ。



逃げ足には自信がある私は、人だかりの中をダッシュで逃げる。



…………でも、やっぱり学年1位の足には勝てず…………。




「捕まえた…………。」



…………あっさり捕まってしまった。