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「藍野さん!明日プレゼント持ってくるから!」
「お誕生日おめでとうっ!!藍野さん!」
「春歌ちゃんおめでとー!!」
放課後。
私は今、早く帰らなくてはいけないのに、他学年のひとたちから行く手を阻まれていて困っている。
今朝の誕生日騒動のせいで、なんでか学校中に広まり、昼休みは1-Aの教室の前は大混雑だった。
しかも帰り際まで詰め寄って来るし。
こんなに祝われた誕生日は初めてだな……。
そんなことをぼーっと考えながら、私はサッと軍団の中を突破し、背後から追いかけてくる大群から逃げながら、無事に下駄箱まで辿り着いたのだった。