「…………どういたしまして。」 黒瀬はちょっと照れて笑った。 なんでだろう。 その初めて見る黒瀬の柔らかい微笑みに、胸がキュンと鳴ったんだ。 今日は素敵な誕生日になった。 ただ、なんで黒瀬が私の誕生日を知っていたのかは、深く詮索しないでおいた。 でも、私は後で、深く詮索しておかなかったことに、とんでもなく後悔することになる――――――――――。