教室内が一気にざわめく。
確か私は、この高校に入学してから一度も誰かに誕生日を教えていない。
それは中学でも一緒。
だから、同じ中学出身の人だって、私の誕生日は知らないはず。
ましてや黒瀬なんて高校で会ったんだし、私の誕生日を知ってるなんてことはあり得ない。
なのにどうして。
「なんで知ってたの。」
「さぁ、何でだろうな。」
黒瀬は淡く微笑んで言った。
…………なんか、いつもの黒瀬じゃない。
「このド変態野郎。」
「酷い言い方だな。の割りにはちゃんとプレゼント貰ってくれてんじゃん。」
うん、それは否定しない。
私の手には黒瀬がくれたプレゼントがしっかりと握られているから。
だって、今まで家族と結花と凛音からしか貰ったことなかったんだもん。
相手が黒瀬……というところには納得できないけど、なんとなく黒瀬センス良さそうだし。
第一、黒瀬がわざわざ買ってくれたものを要らないって戻すなんて可哀想だからね。
「…………あ、ありがと………」
お礼はきちんと言えるから。
きちんと、なのかは分からないけど。