「おはよ、藍野。」
「………何?キモイ。」
「誕生日なんだろ。おめでと。」
黒瀬は私の暴言を全く気にする素振りもなく、そう言ってにこりと微笑んだ。
―――――――――――微笑んだ?
「きゃーーーー!!!」
女子たちの黄色い悲鳴が響き渡る。
え?え?どゆこと?
黒瀬はいつもとは違う、悪意のない優しい笑みを私に向けた。
…………本日2回目。
心臓がバクバク言ってる。
もう、苦しいくらいに。
そして、顔に一気に血が昇る感じがした。
あぁ、今私の顔めちゃくちゃ真っ赤になってるな。
恥ずかしくて顔が上げられない。
さらに、黒瀬はカバンの中をゴソゴソ探り出して、小さな包みを取り出した。
え、嘘。なんで?
「はい、これ誕生日プレゼント。」
「え………。」
なんで知ってたの!?