「ふぅっ、ふぅっ………」
あの後、なんとか近くの空き教室に逃げ込み、一応まくことはできたのだけど。
それにしても結花、後先考えて発言してほしいよ………。
結花は肩で息をしている。
ほぼ私が引きずっていたとはいえ、運動が大の苦手な結花を走らせてしまった。
相当きつかっただろう。
けども!
そもそも結花のせいであぁなったんだから!
そこはしょうがないよ!
少々乱れた息を整わせながら、心の中で叫んだ。
「っ……それにしてもっ……はぁっ………まさか…………こんなことにっ…………ふぅっ…………なるとは…………思わなかった………えへへ…………」
「んもう、えへへじゃないし。」
さっすが天然。
あそこまで大きな声で叫んでるんだから無理もないだろうけど。
「っ………でもさ、春歌もっ………すごい、よねっ…………誕生日っ…………バレただけでっ………あんなにっ…………追いかけられるんだもんっ……」
別にちっとも嬉しくないし。
むしろ迷惑なんだが。
だけどまぁ、天使&天然の結花に言われると、どうも反論できない。
しかもまだ息切れてるし。
もう、ほっとけないな〜
「ほらっ教室戻ろ。多分凛音が待ってる。」
「そだね。」
そうして、二人で並んで、ざわつく廊下を歩きました。