その日の夜は、
珍しく雨が降っていた。
〜♪
次の日の朝。
着信音で目を覚ました。
時計を見るとまだ七時。
『もしもし!?杏!!!?!』
「・・・っそーだよ、何?まだ七・・・・・」
『杏!!!!輝流君が!!!!』
一気に、眠気が引いた。
化粧なんかどうでもよくて。
コートだけ羽織って家を出た。
冷静で居れるはずがないのに。
どこか、“ドラマみたいだ”何て思う私が居た。
タクシーなんか、つかまるはずがないから。
サンダルで走った。
雨上がり。
水溜まりもあって、足は泥だらけ。
冬の七時は、まだ暗い。
霧で前が見にくい。
息は上がるし。
そんな走る事なんて、普段ないから、足はもつれて。
最低だった。
けど・・・・・
『輝流君が、亡くなったって』
その言葉が頭に反響して。
またどっきりにハマってるんだとしたら。
本気でしばくぞ、
何て考えながら。
でも涙を流しながら。
病院に着いた。