ピンポーン。

少しして、ガチャリとドアが開いた。

「茉李ちゃん…」

ありゃりゃりゃ…。

開いた口がふさがらないとはこういうことですか。

テンション、ものすごい落ちてるんですけど!

「ど、どしたの?」
 
今にもフラりと倒れちゃいそうな勢い。

「やばいよぉ。熱がささっきはかったら39.5で、死んじゃうよぉ。茉李ちゃん残して死ぬなんて…」

結構高熱だけど、そんなときまで私のことを考えてんのかい!

って病人に突っ込むのもあれなので、というか死ぬつもりですかーって感じだけど。

「親はいないの?」

「仕事だからいない」

かわいそうに。

まさか一人とは。

「何かしてあげようか?」

私にしてはとんでもない発言。

だけどね?

目の前のこいつ、かわいそうじゃん?